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 公開日: 2016-12-14  最終更新日: 2016-12-26

遺産分割協議により相続を放棄する場合の注意点


相続人が複数いるなかで、被相続人が遺言書を残さずに亡くなった場合、もしくは何らかの事情で遺言書とは違った遺産分割をする必要がある場合に、相続人同士で遺産をどう分割するかを話し合うことを遺産分割協議といいます。

この遺産分割協議では、残された遺産の分割はもちろん、故人に借金など負の遺産があった場合、この負の遺産を誰が負担するのかについても話し合いで決めていきます。

通常、負の遺産がある場合、家庭裁判所に対し相続放棄をする形で「遺産を受け取らない代わりに借金も負担しない」とすることができます。

では、遺産分割協議において遺産も負の遺産も受け取らないとすることはできるのでしょうか?

またできたとした場合、相続放棄と同様に負の遺産の負担をしなくても済むようになるのでしょうか?

今回はこの遺産分割協議により、相続を放棄する場合の注意点についてご説明します。

遺産分割協議で相続分0とすることで財産放棄することができる

まず遺産分割協議において、遺産も負の遺産も受け取らないとすることはできるのかについてですが、これは可能です。

例えば遺産が現金ではなく、自宅などの不動産のみの場合、相続人の誰か一人がそこに住んでいるため、負の遺産も負担する代わりに自宅も単独で相続することに、ほかの相続人が同意をするといったケースなどがこれに当たります。

こういったケースの場合、自宅と負の遺産両方を受け取るもの以外の相続人は、相続分0とすることで、登記申請実務上は家庭裁判所に相続放棄をしたのと同じ効果を得ることができます。

またこの場合、相続開始から3ヶ月が経過し、相続放棄ができなくなってしまった場合であっても登記申請が行えます。

遺産分割協議での相続分0と相続放棄の違い

前項の通り、遺産分割協議で不動産登記申請において特定の相続人以外が相続分0とした場合、家庭裁判所に相続放棄した時と同じ効果を得ることができるとしましたが、実は大きな違いが一つあります。

それは、遺産分割協議において相続分0としたとしても、負の遺産の支払い義務がなくなったわけではないということです。

遺産分割協議で相続放棄をする場合、債権者の同意が必要

家庭裁判所で相続放棄の手続きをすれば、債権者は相続人に対して負の遺産の請求をすることはできません。

これは民法で定められた行為になるからです。

しかし、遺産分割協議での相続放棄はあくまでも相続人同士の話し合いに過ぎません。よって法的な拘束力がないため、これを持って負の遺産の請求がなくなることはありません。

もし遺産分割協議で負の遺産の放棄をしたいという場合は、相続人だけではなく予め債権者の同意を取らなくてはなりません。

従って、遺産分割協議において特定の相続人に遺産のすべてを相続させるといった場合でも、相続放棄が可能な3ヶ月以内であれば、家庭裁判所に相続放棄の申立てをすることが、後々のトラブルを避けるためにも重要となります。

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