コラム

 公開日: 2016-10-06 

有限会社の株式の譲渡制限に関する規定

2006年5月1日に施行された会社法により、有限会社という会社類型はなくなりました。

これによって、施行日に現にある有限会社は、株式会社(特例有限会社)として存続することになっていることはご存知でしょう。ただし基本的に登記の申請などをする必要はないため、この時に会社の登記事項を確認することはありませんでした。

その後も、会社の移転や株式会社への変更など何か特殊なことがなければ、改めて登記事項を見ることはなかったのではないでしょうか?

しかし、実はこの会社法の施行によって有限会社の株式には全て譲渡制限がつくようになっています。

今回は、有限会社の株式の譲渡制限に関する規定についてご説明します。

有限会社の株式の譲渡制限に関する規定の内容

では、有限会社の株式の譲渡制限に関する規定とはどういったものなのかについてご説明します。

そもそも株式の譲渡制限に関する規定とは、中小企業などにおいて自由に株式の売買を認めることで、経営上望ましくない人物に株式や議決権を取得されてしまうことを恐れ、設けられている規定です。

例えば、ある会社に株主が2人いたとします。この場合、1人の株主がもう1人の株主に株式を譲渡する場合は会社の承認なしで自由に譲渡できます。
しかし、1人の株主がもう1人の株主以外の第三者に株式を譲渡する場合は、会社(株主総会)の承認が必要となる規定です。

有限会社も2006年5月1日に施行された会社法により、定款に株式譲渡制限規定があるものとみなされていて、登記事項証明書(登記簿謄本)には以下の「株式の譲渡制限に関する規定」が登記されています。

「当会社の株式を譲渡により取得することについて当会社の承認を要する。当会社の株主が当会社の株式を譲渡により取得する場合においては当会社が承認したものとみなす。」

定款内には「譲渡制限の規定」が記載されていないケースもある

前項で、定款に株式譲渡制限規定があるものとみなされているとしました。

しかし、有限会社は元々譲渡に制限がかかっていたため、会社設立時から定款が変わっていない場合、定款内には「譲渡制限の規定」が記載されていないはずです。

この場合、すぐに新たな定款を作成し、譲渡制限の規定を記載しなくてはならないというわけではありません。ただし、定款を再作成する時には必ずこの項目も盛り込むようにします。

有限会社の株式の譲渡制限に関する規定の注意点

定款を再作成する場合、譲渡の承認を行うのが「会社」にするのでなく株主総会なのか取締役会なのか、あるいは代表取締役なのかなど、明確にしておくことで無用なトラブルを避けることができます。

また株式会社では、この株式の譲渡制限に関する規定は必ずしもなければいけない規定ではありません。

しかし、有限会社の場合は株式譲渡制限規定を廃止することは認められていません。もし廃止する場合は、株式会社への商号変更登記を行う必要があります。

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