コラム

 公開日: 2016-10-02 

高齢化による事業承継においての問題とは

2016年1月、帝国データバンクが発表した「2016年全国社長分析」によると、社長の平均年齢は1990年以降毎年上昇を続けていて、2015年では59.2歳となっています。

さらに年商規模別で見ると、年商1億円以下の小規模企業における社長の平均年齢は、60.0歳となっており、これは年商1,000億円以上における社長の平均年齢60.9歳に次ぐ数字となっています。

また、2015年に社長が交代した企業の前代表の平均年齢は67.0歳となっています。

これらの数字から見ても、現在の社長の高齢化、そして早い段階での社長交代の難しさがわかります。そこで今回は中小企業において、社長が高齢化する原因、そして高齢化による事業継承の問題点についてご説明します。

後継者の確保問題

2016年2月、同じく帝国データバンクが発表した「2016年 後継者問題に関する企業の実態調査」によると、国内企業の3分の2にあたる66.1%が後継者不在となっていて、これは2014年7月の調査から0.7%上昇しているとしています。

また社長の年齢別に見ると、上述した社長の平均年齢である50歳代の企業の後継者不在率は75.7%となっており、実に4分の3の企業で後継者がいないという結果になっています。

2015年1月から事業継承制の承認要件が一部改訂されたことで、後継者がいる企業での後継者の属性において、親族でない非同族の比率が2011年調査時に比べ5.8%上がり32.4%になるなど、一定の効果は出ています。

しかし、それでも3分の2の企業で後継者が不在という現状で、これからさらに高齢化が進むことを考えれば、まだまだ根本的な解決とはなっていないようです。

納税資金を捻出する問題

事業継承制を利用できる企業であればまだよいのですが、問題は承認要件を満たすことができない企業です。事業継承制を利用せずに事業継承を行うには、後継者となるものが相続税もしくは贈与税を捻出しなくてはなりません。

特に中小企業の場合、早い段階から事業継承の計画を立てていないために、いざ後継者が決まっても、継承する時点で納税のための資金がないということが起こりがちです。

これにより、継承できないままに「現経営者の高齢化がさらに進んでいく」という悪循環を生み出しています。

親族間の財産分与という問題

親族への事業継承を行う際、後継者が一人の場合は上述したように多額の相続税が課されるという問題があります。

では後継者が複数いる場合はどうでしょう?

中小企業は、オーナー社長が自社株式の大半や事業用資産を保有している場合が多い上、個人の資産を会社に投入している場合もあり、個人資産と会社資産の区別が困難です。

そのため複数いる後継者のうちの一人だけに全権を与えるとなると、それ以外の後継者間でのトラブルが発生する確率が高くなってしまいます。

これもまだ、現経営者が存命の間はそれほど大きな問題にならないものの、亡くなってしまった後にトラブルが発生するケースが多く、そういった意味でも現経営者が高齢になる前に後継者を決め、ほかの後継者への財産分与などをしっかり行っておくことが重要となります。

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