コラム

 公開日: 2016-09-28 

医療法人の事業承継は後継者が誰かがポイント

世の中にはさまざまな業種があり、それぞれに事業継承の形があります。その中でも複雑なのが医院の事業継承です。

親族に継承するのか、親族以外の第三者に継承するのかといった問題のほか、個人経営のクリニックなのか、医療法人なのかによっても方法は大きく変わってきます。

今回は医院の事業継承についてのポイントをご紹介します。

個人経営と法人の違い

まずは個人経営のクリニックと医療法人の違いについてご説明します。

個人経営のクリニックの場合、土地や建物、医療用器機の所有権など事業で使用している財産は、基本的に個人所有のものとなるため、すべて相続の対象となります。

これに対し、医療法人の場合、事業に関わる財産は個人所有ではないため、相続の対象にはなりません。対象になるのは医療法人に対する出資金です。

医療法人の事業承継について

では医療法人の事業継承から見ていきます。

まずは事業継承が親族の場合についてです。医療法人を親族に事業継承する場合、医療法人に対する出資持分を譲渡(売却)・贈与・相続によって承継します。

医療法人は普通法人と違い、医療法54条により、毎年の利益を出資者に配当できません。その結果、医療法人が毎年計上する利益は法人内部に蓄積され、出資持分の相続税評価額は非常に高額になります。
これにより相続の際に問題になるケースが少なくありません。そこで出資持分の評価の引き下げが可能になるよう、事前対策はしっかりと行う必要があります。

次に第三者に事業継承をする場合、贈与・相続ではなく譲渡もしくは売却となります。ポイントは、双方合意を得るに至る売買金額の設定です。
現時点での資産や負債の評価額をベースに、医院の集患力、立地条件などを勘案しその金額を決定しますが、非常に困難なため、医院の第三者間売買の仲介業者などに依頼するといった方法もあります。

個人経営クリニックの事業承継について

個人経営クリニックを親族に継承する場合、上述したように事業で使用している財産はすべて相続人への分割対象となります。

そのため、後継者以外の相続人に分割されると事業承継できない場合も想定されます。

医院を廃業するのでない限りは、生前贈与や遺言など事前の対策を行いトラブルを未然に防ぐ必要があります。

個人経営クリニックを第三者に継承する場合、財産をいくらで売却するか、土地や建物も売却するのか、それとも賃貸にするのかといった細かい部分をしっかりと話し合い、契約金額を決定する必要があります。

医療法人の場合と同じように仲介に依頼する方法もありますが、現理事長が存命のうちにできる限り当事者間で話し合っておくことが重要です。

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