コラム

 公開日: 2016-09-22 

持株会社を事業承継に活用する方法とメリットデメリット

後継者に事業継承する上で持株会社を設立し、その持株会社を継承するという方法があります。

持株会社とは、日本では1997年に解禁された企業経営の新しい仕組みです。持株会社は具体的な事業活動を行いません。

その代わりにほかの会社の株式を所有し、その会社の事業活動を自社の管理化に置くことで、ほかの会社を実質的に支配することを目的として設立する会社で、ホールディングカンパニーとも呼ばれます。

持株会社は
自ら事業も行ないつつ企業の株式を持つ事業持株会社

ほかの会社を支配することを主業務とし、自ら製造や販売は行わない純粋持株会社、

銀行、証券会社などの金融機関を支配することを目的とする金融持株会社

上記の3種類があります。

今回はこの持株会社を事業継承に活用する方法、そしてそのメリットとデメリットについてご紹介します。

事業継承への活かし方

例えば、持株会社がない場合、複数の会社を持っているオーナーが後継者に事業継承を行うには、それぞれの会社ごとに株式の引継ぎが必要になります。

そのため手続きが複雑になり、手間もかかってしまいます。また会社ごとに意見の食い違いなどがあり、足並みがそろわないことで事業継承が正しく行われず、不完全なものになってしまうというリスクもあります。

そういった場合、持株会社を設立することで、それぞれの会社ごとに株式の引継ぎをする必要がなくなります。

後継者となる人物が出資し新会社を設立、その後に事業継承する会社の株式をオーナーから買い取り持株会社にする、といった形で事業継承がスムーズに行えます。

事業承継に持株会社を利用するメリット

事業継承に持株会社を利用するメリットは、上述したように面倒な手間をかけずに事業継承を行えるということもありますが、それ以上に相続税の節税効果が期待できるという点が挙げられます。

持株会社を設立する前は、それぞれの会社の株をオーナーが個人で直接保有していますが、持株会社を設立することで、持株会社を通した間接所有となります。これによりオーナーの財産の内容が変わります。

そして持株会社の保有する株式の評価額は、株式移転後の値上がり益の42%を控除して評価されます。

そのため仮に会社の業績が上がったとしても、株価の値上がりをおさえることができます。

長期間に渡って会社の業績が上がり続けるという条件はつきますが、下がらない限りは控除額が大きいため、相続税の節税に大きく役立ちます。

事業承継に持株会社を利用するデメリット

仮に後継者が複数いた場合、持株会社があるとグループ全社の支配権や経営権が特定後継者に事業承継されることになるため、後継者間で紛争が起こるというデメリットがあります。

またこの方法は現オーナー、一代限りの対策です。相続税などの対策は後継者の次の後継者の時に再度必要になります。

後継者が一人しかいない場合、持株会社は事業継承に非常にメリットのある方法となりますが、2人以上子供がいてそれぞれに会社を継承するといった場合は逆に争いの元になってしまうため、持株会社の設立は十分検討の上、行うようにしてください。

この記事を書いたプロ

中村眞税理士事務所 [ホームページ]

税理士 中村眞

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