コラム

 公開日: 2016-09-18 

個人事業主の父からの事業承継する場合の留意点

通常、事業継承というと会社事業の継承を思い浮かべるかと思います。

この場合、父といっても個人ではなく会社という組織のため、父個人の資産、負債などは事業継承には関係がありません。

しかし、会社ではなく個人事業主の父からの事業継承はどうでしょう?

事業という点では会社と同じですが、個人事業主は個人で行っているもののため、組織ではありません。
この場合、父個人の資産、負債も合わせて請け負う形になるのでしょうか?

そして、そもそも個人事業の事業継承は可能なのでしょうか?

今回は、個人事業主の父からの事業承継する場合の留意点について詳しくご説明します。

個人事業における法律的な財産の取り扱い

会社と違い、個人事業は文字通り、個人(例:父)の事業となります。つまり事業に関する財産も個人に関する財産もすべて父親個人の遺産相続として手続きをしていかなければいけません。

具体的には、父親個人の財産、事務所、店舗、工場、機械設備、備品、商品などの事業用の財産や借入れなどの負債、そのほか従業員との契約、そしてそれ以外のさまざまな契約、許認可権、特許権・実用新案権・意匠権・商標権、著作権などすべてです。

これらを事業の引継ぎをしながら、同時に遺産相続として手続きを行っていかなくてはなりません。

事業自体を引き継ぐことはできないという注意点

前項で遺産相続の手続きをしながら、同時に事業の引継ぎも行うと書きましたが、この事業の引継ぎに関しては、会社組織での事業引継ぎとは意味合いが違います。

会社であれば、すべては会社に紐づいているため、仮に父親が亡くなっても会社は残ります。

しかし個人事業の場合、すべては父親に紐づいているため、父親が亡くなった場合、その個人事業は廃業という形になり、子供がその事業を引き継ぐのであれば、新たに子供名義で開業届けを出さなくてはなりません。

仮に父親の元で働いている従業員がいた場合、その従業員も会社ではなく父親に雇用されていたということになるため、父親が亡くなれば雇用契約を一旦解除し、その後改めて子供と雇用契約を結ばなくてはなりません。

個人事業を問題なく引き継ぐためのポイントは法人化

個人事業を引き継ぐにはいくつかのハードルがあり、これを遺産相続の手続きと同時にやっていくことは非常に困難です。

個人事業を問題なく引き継ぐためのポイントは2点あります。

一つは、できるだけ早めに専門家に相談し、引継ぎに必要な手続きについて適切なアドバイスを受けることです。

そしてもう一つが個人事業の法人化です。法人化することで細かい手続きの手間が減り、相続問題に集中することができます。

注意点としては、どちらも父親が生きている間に、一緒に専門家に相談することです。そうすることで、父親の死後に遺産相続でもめるリスクを減らすことができるでしょう。

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