コラム

 公開日: 2016-09-14 

問題は相続税だけではない…事業継承対策の必要性

東京商工リサーチの調べによると、2015年の社長の平均年齢は60.8歳となっています。これは、調査が開始された2010年から最も高く、毎年右肩上がりで高齢化が進んでいます。

社長の高齢化が進む理由は後継者不足や継承時の相続税、贈与税などの税負担の大きさなど複数考えられます。

しかし多くは、それまでに対策を怠っていたため、後継者にスムーズに継承できないといった場合も少なくないようです。

そこで今回は、事前にしっかりとやっておくべき事業継承対策について詳しくご紹介します。

事業継承対策の重要性

冒頭でご紹介した東京商工リサーチの調査結果によると、社長の平均年齢は60.8歳ですが、年齢分布でみると70代が実に23.3%とほぼ4分の1が70代以上となっています。

厚生労働省が発表した平成26年度の簡易生命表によると、70代の残り平均余命は男性で15.49歳、女性で19.81歳となっています。つまり日本の約4分の1の会社の社長は、1日も早く事業継承の準備をしておかないと、会社の存続が非常に危うくなってしまうということになります。

また後継者不足という問題もあります。

少し古いデータですが、2003年に東京商工リサーが発表した「後継者教育に関する実態調査」によると、1983年以前に90%を超えていた親族内継承が、2003年には約半分になっているという結果が出ています。これは、それだけ多くの中小企業が後継者探しに苦労していることの表れでもあります。

社長の高齢化、後継者不足、これらの問題を解決するためには、少しでも早い事業継承対策が必須であるといえます。

事業承継対策を行うことで業績の悪化を防止

事業継承対策を行うことの最大のメリットは、継承時にトラブルなくスムーズに行えることです。スムーズに事業承継が行えることによって、取引先の信頼を失うこともなければ、業務の空白期間ができることもないため、業績の悪化を防ぐことにもつながります。

実際に事業継承対策を行うには、まず経営資源の状況、経営リスクの状況、経営者自身の状況、後継者候補の状況、相続発生時に予想される問題点など現状を認識する作業を行います。

その上で承継方法、後継者の確定をし、中長期の経営計画に事業継承の時期、法定相続人および相互の人間関係、株式保有状況の確認、相続財産の特定・相続税額の試算・納税方法の検討など、具体的な対策を盛り込んだ事業承継計画表を作成します。

取引先の信用を失うなど、対策しないでいた場合のリスクとは

事業継承対策を行わない場合、継承する以前に先代が亡くなってしまうと、会社の動きがストップしてしまうというデメリットがあります。

またそうでない場合でも、社内で後継者争いが起き、もめごとが増えることで取引先の信用を失くしてしまうこともあります。

事業対策をしっかりと行わないことで社内、社外へ幅広く不安を広げてしまい、結果として会社にとって大きな損失を生むことになります。

そういった意味でも早い時期からの事業継承対策は、中小企業として生き残っていく上でも必須の業務であるといえます。

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