コラム

 公開日: 2016-09-12 

事業継承時の税負担軽減を図る税制とは?

中小企業において、事業を継承する上での大きな問題点として、後継者不足と継承にかかる相続税、贈与税といった税負担の2点が挙げられます。

事業継承税制とは、この大きな問題点の1つである税負担を少しでも軽くし、事業継承を円滑に進めていけるように作られた税制です。

今回はこの事業継承税制の目的、内容、そして適用条件などについて詳しくご説明します。

事業継承税制が設けられた目的

バブル崩壊後、多くの中小企業が事業の継承時にかかる大きな税負担に苦しんでいます。

長く不景気が続く現在の日本において、潤沢なキャッシュフローを持つことが困難な中小企業は、後継者がいるにも関わらず、税金を払うキャッシュを用意できずに廃業してしまうケースも少なくありません。

事業継承税制とは、そういった中小企業を救い、事業継承の円滑化を図るために作られた経営承継円滑化法の一つです。

税制において、後継者の負担を軽くすることで事業継承を円滑にするため、平成20年10月より適用されています。

事業継承税制の内容

事業継承税制は、相続税と贈与税の納税猶予を図って、中小企業の事業存続をバックアップするものです。

後継者が、相続または贈与によりその会社の株式を被相続人から取得した場合、基本的には相続税(贈与税)を納税することになりますが、一定要件を満たせば、その株式に係る納税について80%が猶予されます。

ただし、相続、贈与どちらの場合でも、相続の前から保有していた分も含め、発行済株式総数の3分の2を超えた場合、その超えた分については納税猶予の特例は適用されません。

事業継承税制の適用条件

事業継承税制において、納税猶予を受けられる条件は以下の通りです。

(1)中小企業者であること。

(2)上場会社、風俗営業会社でないこと。

(3)従業員が1人以上であること。

(4)資産管理会社に該当しないこと。

●現経営者の主な要件
(1)会社の代表者であったこと。

(2)相続開始直前において、現経営者と現経営者の親族などで総議決権数の過半数を保有し、かつこれらの者の中で筆頭株主であったこと。

(3)贈与税の納税猶予の場合は、贈与時に役員を退任していること。

●後継者の主な要件
(1)相続開始の直前において役員であり、相続開始から5ヶ月後に代表者であること。
※贈与税の納税猶予の場合には、贈与日に20歳以上で、贈与の直前3年以上役員であったことが必要。

(2)相続開始時において、後継者と後継者の親族などとで総議決権数の過半数を保有し、かつこれらの者の中で筆頭株主であること。

●申告期限後5年間
・後継者が会社の代表者であること。

・雇用の8割以上を維持していること(5年間平均)。

・後継者が筆頭株主であること。

・上場会社、風俗営業会社に該当しないこと。

・猶予対象株式を継続保有していること。

・資産管理会社に該当しないこと。
※どれかひとつでも満たせなかった場合は、その時点で全額納付。

●申告期限5年経過後
・猶予対象株式を継続保有している。
※満たせなかった場合は譲渡した株式の割合分だけ納付。

・資産管理会社に該当しないこと。
※満たせなかった場合は全額納付。

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